
2024年10月期のフジテレビ月9ドラマ『嘘解きレトリック』は、都戸利津の同名漫画を原作にしたレトロモダンな探偵活劇。鈴鹿央士さんと松本穂香さんのW主演で、昭和初期の架空の町・九十九夜町を舞台に、嘘を聞き分ける能力を持つ鹿乃子と貧乏探偵・左右馬が難事件を解決。Filmarksで平均3.6点(2,559件)、Xで「#嘘解きレトリック」がトレンド入りし、ほっこり癒されるセットが美しいと話題に。この記事では、全話の魅力、見どころ、視聴方法を徹底解説!「嘘解きレトリック 2024 レビュー」で検索したあなたに、ドラマの温かな世界をお届けします。
1. ドラマ『嘘解きレトリック』の基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
放送期間 | 2024年10月7日~12月16日 2024年秋ドラマ |
放送局 | フジテレビ系「月9」 (毎週月曜21:00) |
原作 | 都戸利津『嘘解きレトリック』 (白泉社・花とゆめコミックス、累計100万部) |
脚本 | 武石栞、村田こけし、大口幸子 |
監督 | 西谷弘、永山耕三、鈴木雅之、河毛俊作、岩城隆一 |
主演 | 鈴鹿央士(祝左右馬役)、松本穂香(浦部鹿乃子役) |
主要キャスト | 味方良介、片山友希、大倉孝二、磯山さやか、 杉本哲太、若村麻由美 ほか |
主題歌 | eill「革命前夜」 |
公式サイト | フジテレビ公式 |
配信 | FOD、TVer(一部無料)、Amazon Prime Video |
原作は『別冊花とゆめ』で連載され、2024年9月時点で累計100万部を突破。昭和初期の架空の町を舞台に、探偵と助手のバディが織りなすミステリーが人気。FODでオリジナルストーリー配信予定。
2. あらすじ:嘘を見抜く少女と貧乏探偵の冒険
昭和初期の九十九夜町(つくもやちょう)。浦部鹿乃子(松本穂香)は、人の嘘を聞き分ける能力ゆえに故郷の村で疎まれ、町へ流れ着く。空腹で行き倒れた彼女を救ったのは、借金まみれの貧乏探偵・祝左右馬(鈴鹿央士)。彼は鹿乃子の能力を探偵に最高と見抜き、助手として雇う。カフェ『ローズ』の女給・リリー(村川絵梨)や警官の端(味方良介)らと関わりながら、二人は小さな嘘から大きな事件まで解決。鹿乃子の淡い恋心や左右馬の過去も絡み合い、温かな物語が展開する。最終話では、左右馬の最大の嘘が明かされ、感動のフィナーレへ。
3. 見どころ:レトロな世界観と癒しのバディ
(1) 昭和初期のレトロな世界観
『嘘解きレトリック』の大きな魅力のひとつは、昭和初期の九十九夜町を舞台にした独特なレトロ感にあります。ひとつひとつ丁寧に作り込まれた街並みのセットや、登場人物の衣装、小道具のひとつに至るまで、まるで時代考証の教科書のような完成度。まさに目で楽しむドラマとして、画面の隅々まで味わいたくなる仕上がりです。
中でも、カフェ『ローズ』の温かみのある内装や、レトロな看板、ガス灯のような街灯などは、視聴者の心に静かなノスタルジーを呼び起こします。SNSでは背景だけでもずっと見ていたい朝ドラ顔負けの作り込みと絶賛の声が相次ぎ、視覚的な完成度が物語への没入感を高めています。
個人的には、この昭和の空気感が、ミステリーというジャンルの中で登場人物の心の揺れや優しさをより浮き立たせている点に深く惹かれました。古き良き時代のぬくもりと、人間の複雑さが交差することで、ただの事件解決ドラマには収まらない奥行きを感じます。昭和の優しい風景が、視聴者の心をほぐしながらも、物語の核心を際立たせる名脇役として機能していると感じました。
(2) 癒しのバディとほっこりミステリー
本作の最大の魅力は、探偵・祝左右馬と、嘘を聞き分ける能力を持つ少女・浦部鹿乃子の、絶妙なバディ感にあるといっても過言ではありません。二人のやり取りは、言葉数こそ多くないものの、信頼と安心感に満ちており、観ている側の心を自然と癒してくれます。
特に印象的だったのが、第5話の松葉牡丹の君事件。事件そのものはささやかな謎ですが、その裏にある誰かを想う気持ちや優しい嘘が丁寧に描かれ、私も思わず涙が込み上げました。
左右馬の飄々とした態度と、鹿乃子の純粋で誠実な視線。そのコントラストが、物語に柔らかいリズムを与えています。個人的には、彼らの会話を聞いているだけで心がほぐれていくような感覚があり、日常の疲れを癒してくれるような存在でした。
ミステリー作品でありながらも、人を裁くより理解することに重きを置いている点も本作の特徴であり、だからこそ、事件の結末に毎回静かな感動が訪れるのだと思います。二人の信頼関係が育っていく過程が、視聴者にとっても安心できる居場所になっているのが、この作品の大きな強みです。
(3) 嘘と真実のテーマ
『嘘解きレトリック』が他のミステリードラマと一線を画す最大の要因は、嘘に対する視点の優しさにあります。単に嘘を暴くのではなく、なぜその嘘をついたのかを丁寧に掘り下げるスタイル。ここには、嘘は悪ではなく、嘘は誰かを守るために存在することもあるという深い人間理解が根底に流れています。
特に心を打たれたのが、第9話に登場した少年・利市のエピソード。彼のついた小さな嘘の背景には、誰にも言えない孤独と、周囲を気遣う優しさがありました。私自身も、誰かを守るためについた嘘や、本心を隠してしまった経験があるだけに、利市の行動が痛いほど伝わってきました。
最終話では、祝左右馬自身が大きな決断を下します。真実を告げることだけが正義ではないと知ったとき、彼の人間性に深い感動を覚えました。
この作品は、嘘と真実のグレーな境界線を描くことで、視聴者に本当に大切なことは何か?と静かに問いかけてきます。単なる事件解決ではなく、人の心の奥深さに触れる構造に、私は何度も心を揺さぶられました。
4. キャストの演技:鈴鹿央士と松本穂香の化学反応
鈴鹿央士(祝左右馬役)
本作でゴールデン帯初主演を果たした鈴鹿央士さんは、祝左右馬という難しいキャラクターを見事に体現しています。軽妙な語り口と、ふとした瞬間に見せる真剣な表情。そのギャップが、左右馬という人物に深みと魅力を与えています。
時にわざとらしいと言われる演技も、個人的にはキャラクターの性格を引き立てるユーモアの一部だと感じました。どこか気取った物言いの奥に、繊細さや思いやりがにじみ出ていて、観れば観るほど味のある人物像が浮かび上がってきます。
事件解決のための推理シーンでは、鋭い眼差しで相手を見つめるその演技に、自然と引き込まれてしまいます。彼の存在が、このドラマにおけるミステリーの側面をしっかりと支え、物語全体の軸となっていたと感じます。
松本穂香(浦部鹿乃子役)
松本穂香さん演じる浦部鹿乃子は、一見控えめながらも芯の強さを感じさせるキャラクター。嘘を聞き分けるという特異な能力を持ちながら、それに振り回されることなく、むしろその力を人のために使おうとする優しさに満ちています。
松本さんの演技は、決して大げさではないのに、視聴者の心にじんわりと染み入るような静かな感情表現が魅力。柔らかい表情や、少し伏し目がちに相手の話を聞く仕草ひとつで、鹿乃子の純粋さや葛藤が伝わってきました。
左右馬とのやり取りの中で見せるふとした笑顔や、信頼のこもった眼差しには、こちらまで心が温かくなります。個人的には、彼女の感情を抑えながらも滲み出る誠実さがとても印象的で、物語にリアルな人間味をもたらしていたと感じました。
脇役の輝き
『嘘解きレトリック』は、主役二人だけでなく脇役の演技も秀逸で、作品全体の完成度を引き上げています。
村川絵梨さんが演じる女給は、昭和らしいたおやかさと芯の強さをあわせ持ち、物語の潤滑油のような存在に。味方良介さんの警官役は、型にはまりすぎない人間くささが印象的で、登場シーンがあるだけで安心感を覚えました。
また、第9話のキーパーソンとなる少年・利市を演じた黒川想矢さんの自然な演技は、多くの視聴者の涙を誘い、心を掴まれたとSNSでも話題に。
北乃きいさんや若村麻由美さんといった実力派のゲスト陣も、それぞれの役に見事にハマり、物語に重厚な陰影を与えていました。
これだけキャスト一人ひとりが光る作品は稀であり、それぞれのキャラクターが生きていると感じさせてくれる総合力の高いドラマだったと私は思います。
5. 感想:ほっこり全10話
『嘘解きレトリック』は、Filmarksで3.6点(2,559件)とまずまずの評価ながら、SNSでは続編を望む声が多い、癒し系ミステリーの新境地といったポジティブな意見も目立ちました。一方で、展開がややスロー、推理の緊張感が物足りないといった指摘もあり、受け取り方に個人差が出やすい作品だった印象です。ただ、全体を通して静かに心をほどくようなやさしいミステリーの魅力に気づかされたという意味で、私にとっては非常に記憶に残る一作となりました。
序盤(1~3話)
嘘が聞こえる少女・鹿乃子と、訳あり探偵左右馬との出会いが中心に描かれ、物語の空気感がしっかりと作られていきます。昭和初期を思わせるレトロな町並みや衣装、小道具のこだわりは、まるで舞台を見ているような没入感。特に第1話での鹿乃子の力が初めて発動する瞬間は、派手な演出ではないものの、不思議と胸に迫るものがありました。ゆったりとしたテンポは好き嫌いが分かれるところですが、私はむしろその間に流れる人の温度を丁寧に感じ取ることができ、とても心地よく感じました。
中盤(4~7話)
町に住む人々のささやかな事件が描かれ、特に松葉牡丹の君に関するエピソードは、心に秘めた想いと言葉にできない感情がテーマとなっており、ミステリーというより人間ドラマとしての味わいが深まりました。少年・利市の出来事も、それぞれの登場人物が抱える過去やトラウマが丁寧に掘り下げられており、人を癒す過程が主軸となる展開は、むしろこの作品ならではの魅力に感じました。派手なトリックやどんでん返しはないけれど、人の言葉の裏にある“本音”や“嘘”をどう扱うかというテーマが、じんわりと心に染みます。
終盤(8~10話)
左右馬の過去や、鹿乃子との関係性にも深みが増していきます。特に第9話では、左右馬が抱える罪と赦しの物語が前面に出てきて、これまでのエピソードの積み重ねが生きてくる構成に。最終話では嘘を暴くこと以上に嘘をどう受け止めるかに焦点が当てられ、本作ならではの温かなメッセージが込められていました。SNSでも「優しさに包まれたラスト」「静かな余韻が心地いい」という声が多く見られ、私自身も、エンディングが流れるころには不思議なあたたかさに包まれていました。
個人的には、嘘を暴くというよりも、気づかない優しさをすくい上げるようなこの作品の姿勢が非常に好ましく感じられました。人は誰しも本当の気持ちを隠して生きることがあるけれど、それを否定せず、そっと寄り添っていく鹿乃子の視点に、何度も心を動かされました。また、美術セットやライティング、音楽の使い方も丁寧で、全体的にノスタルジックで温かみのある映像世界が広がっていたのも魅力のひとつ。原作へのリスペクトを感じさせる演出に、制作者の真摯な姿勢が伝わってきました。続編があれば、また二人の静かな事件簿をのぞいてみたい──そう素直に思えるドラマでした。
6. 視聴方法:見逃し配信やサブスク情報
2025年6月時点の視聴方法は以下:
- FOD: 全話見放題+オリジナルストーリー(月額976円、初回無料期間あり)。
- Amazon Prime Video: 全話見放題(月額600円、30日間無料体験あり)。
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7. 関連作品:似たテイストのミステリードラマ
『嘘解きレトリック』の雰囲気が好きな方におすすめ:
- 『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ): 独特な視点で事件を解決するミステリー。
- 『古畑任三郎』(フジテレビ): 軽妙なトークで犯人を追い詰める名作。
- 『カンパニー』(NHK): レトロな雰囲気で人間ドラマを描く。
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8. まとめ:2024年秋の癒し系名作
『嘘解きレトリック』は、鈴鹿央士と松本穂香のバディが織りなすレトロモダンな探偵活劇。昭和初期の美しいセットと嘘と願いのテーマが心を温める。Filmarks3.6点やXの続編希望の声も納得の2024年秋の名作。あなたはこのドラマのどのシーンが好きでしたか?次回のドラマレビューもお楽しみに。

🖋この記事を書いた人:AKIRA
本記事は、日本ドラマ・韓国ドラマを年間100本以上視聴するブロガー・AKIRAが執筆。
心に残ったドラマや作品の人物描写を深掘りしながら、独自の視点でレビューしています。